ミラクル・ダイス☆
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はじめまして。あたしは皇(すめらぎ) 心里(しんり)。うお座、B型の17歳♡
・・・・・・なんぞというのがセオリーというものなのであろうが・・・
正直!!今はそんな余裕はない!!!(きっぱり)
「いいいいぃぃいぃいぃぃぃやぁぁぁぁああああぁだぁぁぁああぁあぁぁぁああ・・・・・」
あたしがあげた力いっぱいの悲鳴が荒野の真ん中に響き渡る。しかし、あらかたは、 うしろから追いかけてくる怒涛のような足音によってかき消される。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛・・・」
あたしは頭を抱えていた。 こんなところにガーゴイルがいるなんて、冗談でしょう!これぇ!!?
ガーゴイルとはもう少し草の生えているところに生息している幻獣のことだ。 とても硬い皮膚をしていて、たとえカナヅチで殴ったとしても、 今、なんか当たった? ぐらいにしか思わない、タフなやつ。そして、全然可愛くない!!
「愛花っ!!あたしの銃は!!???」
あたしは近くにいるはずの相棒声をかける。
だが、返事は・・・ない。
・・・・・・いない。
逃げんな相棒、ムカつくんだよ、相棒。
そうしてる間にもガーゴイルは迫ってくる。
そんなこんなで、わたし、今日も元気に大ピンチ☆
「・・・ちゃん〜・・・・り・・ちゃん〜・・・・」
はっ!こんな状況下でも間延びした声は!!?
この瞬間、あたしは勝利の女神を見た気がした。
いつの間にか隠れたらしい木の後ろから彼女はおずおずと銃を放ってくる。
・・・・・って、届いてないじゃん!!(涙)
ガーゴイルの拳を三度ほど避けて、銃の元へ走る!
ガーゴイルの影が背後にかかった瞬間、野球のスライディングの要領で、 銃の落ちている所へ滑り込んだ!
あっ、愛花もういない。
ガゥン、ガゥン、ガゥン・・・
三発の銃声が響き・・・頭と胸を打ちぬかれ、ガーゴイルはあっさりと消えうせた。
「あ〜、死ぬかと思った・・・マジで。」
額の汗をぬぐいつつ、あたしはほっと息をついた。
いきなし主人公が死んでどうする。などとツッコンではいけない。
ここでは毎日が生きるか死ぬかのサバイバル。
まさにデッドアンドアライブ。欧米か!
明日の太陽顔が拝めるかは自分の腕にかかっている。
とにもかくにもあたしが一息ついたところで、何かが向こうから走ってくる。
「心里ちゃん〜大丈夫ぅ〜」
息を切らし、走ってくるのはあたしの相棒。どこまで逃げた、おまえは。
「愛花。」
飛びついてきた彼女・・・の首あたりをあたしは思い切り締め上げた。
「あんたって子はぁぁあぁあぁぁ・・・なんでこう、いつもいつも・・・」
「苦しいよぉう〜ねー、くーる−しーなー?くるしいかもぉ〜」
彼女は少しずつチアノーゼを見せ始めると手足を多少ばたつかせる。 彼女の顔が紫色になったのを確認してから彼女の首から手を放した。 そんな時どこからともなくいやみったらしい声が(嫌)
『お前も懲りないやつだよなぁ。昨日もおんなじ目にあったくせに。』
ムカッ
『とろいんだよ。この世界の摂理ってもんをそろそろ覚えたらどうだ?』
ムカムカッ
「なんだかサイコロの分際でこのあたしに逆らうなんていいいぃぃぃぃぃ度胸ねぇ?」
そういって手持ちの巾着袋をぶんぶか振ってみせる。
『うっおおおぉぉぉぉぉおぉおぉぉぉぉぉおおおぉぉぉぉ。』
えーこほん。一言忠告するならこの状況をみて腹話術なんて言わないこと。
言うともれなくあたしの鉄拳制裁が顔面にめりこめのことになるのであしからず。
ついでに説明しておいてやろう。このやたらハラの立つサイコロは《オニキス・ダイス》
オニキスという石でできたサイコロで占いなどでも使われる(らしい)
あたしから言わせてもらえば、ただのくそたわけたサイコロに過ぎないのだが。(本音)
やたらと人間的な悲鳴がこだます中、あたしは一つの甘酸っぱい思い出へと思いをはせていた・・・
回想↓
そう、それは二ヶ月前のあの日・・・
・・・・・・心里ちゃん〜
あたしはいつものように放課後にトキメキ空間(ウィンドウショッピング)へ。
・・・・・・・・心里ちゃん〜
しばらくか通い詰めたお気に入りの店《JOJO》。
アジアにハマったあたしのオアシスだった。
・・・・ねえぇ〜てばぁ〜
そう、その店が!!全ての悲劇の始まり・・・!!
「いやぁぁん♡♡ときめき♡♡♡」
何ぞとほざきつつ、あたしは《オニキス・ダイス》(350円・税別)を
衝動買い・・・してしまった。あたしってば、あたしってばぁぁあ〜(滝涙)
・・・ねぇ〜心里ちゃん・・
「だぁっ!!なによ?さっきから!!」
「よかったぁ〜なんか、自分の世界から帰ってきてくれないからぁ〜」
「で?なに?」
「さっきねぇ〜みかんが・・・」
「じゃかましいわ。」
『それもしゃーないことよ、それも人生。』
「サイコロの分際で人生語んないでよ・・・。」
ため息ついちゃったし。
『うんうん。若いうちは色々あるもんだ。あきらめろ。』
「ありすぎでしょーが!!革命だとかなんだとか!!」
はたから聞いてても分からないだろうそこの君に説明しよう。
えーとそもそもサイコロいわく、あたしは世界を革命したらしい。(あっさり)
なんだそれは?と思うかもしれない。でも事実は事実。
あたし元々、第六感が人よりちょみーっとほんと少しだけ発達してるらしい。
しかも。魔力を持ってる(らしい)この生意気なサイコロと運悪く、(強調)
波長がぴったり合ってしまったらしい。あぁ悲劇。
それを説明するかのようにこの世界は原型を留めることなく《変わって》しまった。
だいぶ驚きの話だが、こいつは以外にあっさりそう告げた。
ドコまでもムカつくやつだ(やつあたり)
どうやらあたし以外にも相棒みたくやらかしたやつらがいるらしい。
つまり、あたしがダイスを転がしたのとまっっったく同じ瞬間に、他のやつらも何かをやらかしたんだそうだ。偶然にもほどがあるだろうっつうの。
「ねぇ〜心里ちゃん〜」
こいつの存在、忘れてた・・・
「なによー、あたしはもう疲れたわよ。」
気がつけばいつの間にか復活したのかあたしの相棒が横に佇んでいた。
ついでに紹介しとこう。こいつはあたしの相棒でやらかしたやつらの一人。
孕(はら)石(いし)愛(あい)花(か) 乙女座・O型の同い年。趣味はガーデニングと犬の散歩。
これでもかっっっ!!これでもかぁぁああぁあぁぁああぁぁ!!!!
というほどの天然であたしですら時々この子の行動が分からなくなる。
あっかまってほしそーな目ぇしてる。
「で?なにか言いたいことはあるかなぁ?愛花ちゃん。」
ため息をつきつつ一応聞いてみる。あたしってばやさしい。
「はいは〜い。あしたもぉ〜ボスさん探しですかぁ〜?」
「当たり前だろが!!!他になにすんのよ。」
「ん〜鬼ごっこ♡」
くらっ
正直さっさと見捨てたい・・・(切実)
「でね!!さっき〜みかんがポンカンでね〜!!はつさくとはちがうの〜!!」
・・・・・(黙)
今日も全快だぁー(さわやか)
『ま、また明日も似たよーなヘマするんだろうな。』
だまれ、オニキス・ダイス。
こいつも・・・もう、世界なんてどうでもいい。
お願い・・・とりあえずこいつらを叩き割らせて・・・(滝涙)
あぁ、そんなこんなであたしの波乱万丈な日々は続く。
どーなる!?あたしの人生!??



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